第16問 愛するということ

「愛するということ」とはどのようなことなのだろう。

昔までは何となく分かったような気になっていたことなのだが、最近になって定義付けが難しいということに気が付いた。

 

ある人を好きになる。これも愛するだろう。

ある人を誰かに取られたくない。これも愛するだろう(ただし極端な妬み嫉みは御法度)。

ある人の嫌なことまでも認める。これも愛するだろう。

こんなことを考えていたら、余計分からなくなってきた。

 

愛とは数学や物理学とは違って、決まった形に定義することは出来ない。そこには文学のような解釈の余地が与えられたような甘美なものであるとも考えられる。だとするならば、定義付けることも無粋に感じる。

きっと決められないから美しい、一つに定まらないから魅惑的なのだろう。

 

愛はなくても生きていける、けど愛があればもっと豊かに生きていける(これは昔、私がやっていたゲームに出てくる科白の一つである)。

 

また新たな愛を作り上げていくのも一興だろう。また新たな恋を知るのにも悪くない時期だ。梅雨という時期ではあるが、雨は愛しい誰かと過ごすのにうってつけな気候である。

優しい雨は2人を包み込んでくれるから。

 

Since 6.1〜

 

 

「2人の新たな門出を祝うかのように穏やかに雨は降っていた。雲の向こうには天弓が笑っていた。」